滝の湯は野沢温泉に13湯ある共同浴場のひとつ。鄙びた木造の佇まいとタイル張りの内風呂が昭和のレトロ情緒を色濃く残す。麻釜から坂道を登った先、温泉街の北東端にあるため人通りは少なく、静かな穴場温泉。
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野沢温泉には前回訪れた2005年からの忘れ物がある。「滝の湯」と「秋葉の湯」、ともに建物前まで足を運びながら、時間の都合があり泣く泣く諦めた2つの未入湯の外湯である。
この諦めた外湯には共通項がある。ともに坂を登った高台にあり、歩いてのアクセスがちょっと面倒だということ。ただ、面倒だといっときながら、目の前まではしっかりと行ったが…(そこまで行っときながら、なぜ入らなかったのか? 今思えば不可思議なことだが?)
だから今回は早いうちに訪れようと、滞在初日の夕方、滝の湯に足を向けた。
一度目の前まで行ったことがあるとはいえ、10年前の微かな記憶。実際に入湯した他の外湯の場所はそれなりに覚えているが、滝の湯の印象は薄く、かなり坂を登ってキツかった記憶だけ。
温泉街マップを片手に、麻釜から左手にぐるりと登る坂道を進むこと数分。茜色というよりもオレンジ色の夕陽に染まる滝の湯にようやく到着した。
ファインダー越しに覗き見る滝の湯。ちょっとレトロな雰囲気は10年前とあまり変わらない。ただ夕陽のオレンジ補正のためか、外観の木の状態はより経年変化が感じられ、出入口などは哀愁すら感じられる。
ドアノブを回し中に入ると、そこにあったのはタイル張りの浴場に味のある脱衣棚が同居する昭和レトロの独泉空間。
まさに侘び寂びの世界。う~ん深いなあ…
即座に脱皮(服を脱ぐことね)し、掛け湯をすると…あれ?熱くない。思いがけず温度は適温。湯口を見ると、熱い源泉と一緒に水栓が外された蛇口から強制加水されている。
なるほど…だから適温なのね。
確かに加水はあるが、お湯の状態はすこぶるいい。温泉は微かに翠色を帯びた澄明で、弱い硫黄臭が感じられ、さらに黒い湯の華まで舞っているときたもんだ。
あ~なんでこんなにいい温泉をパスしちゃったんだろう。肩までどっぷり浸かり、しばし迷走…いや瞑想。
いいじゃあ~りませんか~(チャーリー浜ね…もうええわ!)
しばらくすると、青い目をした二人連れの外国人がコンニチワ~と入ってくる。近くに宿泊しているのか、はたまた温泉の品質や温度を知っているのかは不明だが、滝の湯にくるなんて…なかなかツウ好みでござんすね!
さてさて、宿題(その1)であった滝の湯も入ったし、次は宿題(その2)である秋葉の湯に向かうとしよう。
(2016.2 更新)
住所 | 長野県下高井郡野沢温泉村豊郷8217 | TEL | 0269-85-3155[野沢温泉観光協会] |
URL | http://nozawakanko.jp/ 野沢温泉観光協会 |
営業時間 | 5:00~23:00[無料] (12月~3月 6:00~) |
駐車場 | なし(近くの村営駐車場を利用) | 定休日 | - |
主な泉質 | 単純硫黄温泉 | 温泉利用 | 源泉かけ流し |
浴場設備 | 内風呂 | 塩素消毒 | 塩素消毒なし |