道南の温泉といえば函館(湯の川・恵山)や大沼周辺が有名。江戸時代に唯一、藩(松前藩)があっただけに、渡島(知内・鹿部など)、檜山(貝取澗・乙部など)には小さな湯治宿や山間の秘湯などが点在。宿泊や日帰りに便利で魅力的なエリアとなっている。
また函館で揚がるイカ・ホタテや長万部のカニなど、水産物が豊富に水揚げされる。宿で提供される海の幸いっぱいの夕食など、温泉以外の楽しみ方もおすすめ。
道南の名物(食材・料理)
スルメイカ、ウニ、ホタテ、ニシン、くじら、三平汁、ルイベ、ザンギ、イカそうめん、イカめし、函館ラーメン、ニシンそば、松前漬け、トラピストバター・クッキーなど。
温泉リスト
函館・松前 周辺
江戸時代に開湯。「函館の奥座敷」と呼ばれ、大型施設が立ち並ぶ。観光スポットも多く、新鮮な魚介類を堪能できることも魅力的。
函館市を見下ろす函館山の山麓に湧き出す。施設は「市営谷地頭温泉」の一軒だけだが、アクセスの良さもあり、連日多くの人々に利用される。
エゾヤマツツジの名所として名高い恵山に湧き出す。恵山は活火山のため、温泉の泉質は金属をも溶かす酸性泉。特徴ある酸味臭を有する。
江戸時代に地元の漁師が発見したとされる。山中に「南かやべ保養センター」と「ひろめ荘」のふたつの温泉施設がある。
鎌倉時代、金山探しのために北海道に渡った荒木大学によって発見。北海道で最も古い歴史があり、江戸時代は湯治場として利用された。
大沼・八雲 周辺
江戸時代に開湯。大沼公園から車でも10分ほどの距離にある。一軒宿の「留の湯」がある。無色透明のクセのない温泉が湧出する。
江戸時代に津軽の漁師が、鹿が傷を癒す姿を見て発見された。大正時代に掘削された間欠泉が名物。
江戸時代に開湯。湯治場として利用された。周辺は農家などの民家が点在、生活に溶け込む。地熱が高い場所であり、近くには森地熱発電所がある。
明治時代に近くにあった鉱山から温泉が湧出したことが温泉利用の始まり。一度閉鎖されたが、昭和47年に再掘削。一軒宿の「おぼこ荘」がある。
古くより落部川上流の中洲に湧き出す。箱館戦争の時、旧幕府軍が利用したとの記録が残る。
明治時代に開湯。侯爵の徳川義親が熊狩りの途中この温泉につかり熊嶺温泉と名付けたことが桜野温泉の始まりとされる。
長万部・せたな町 周辺
日本海を望むせたな町にあり、町営のキャンプ場や林野庁指定のレクリエーションの森がある。周辺はアワビの産地。温泉熱を使って養殖も行われる。
明治時代に開湯。湯治場として利用された。全国でも珍しいラジウムを含有する温泉が湧出。戦前は陸軍の保養所があった。