永澤平八は銀山温泉にある大正ロマンを漂わせる木造三階建ての温泉宿。内部はきれいにリニューアルされ、情緒と清潔感が同居。階段や手すり、窓の細工など、今では見られなくなった木造日本建築の美しさを垣間見ることができる。
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現在、消防法の関係で、日本では木造三階建ての新築には様々な規制がある。耐震・耐火などを考慮する点が多く、当時(昭和初期)のような建造物は新築では再現できない。
それだけに木造三階建てはとても貴重な存在。歩くと軋む階段や飴色の光沢のある手すり。目の前には非日常の空間が広がる。日本の伝統的な木造建築の趣を残す館内を歩くだけでも楽しい。
館内施設は客室・浴場・食事処などがあるが、娯楽設備は備えていない。その代わりという訳ではないが、昭和初期に造られた宿らしく大正時代の面影を色濃くの残す木造三階建ての建物自体がテーマーパークになっている。
温泉は硫黄臭のする源泉かけ流し温泉。3つある浴場の内、2つか貸切利用ができる。部屋数も限られた宿なので、プライベートな時間が過ごせる。こころ行くまで温泉を堪能できることが嬉しい。
夕食は地元の食材を使用した郷土会席料理。部屋でゆっくりといただける。何と言っても米がおいしく米粒が光り立っている。そして山の宿らしく山菜・川魚はもちろん尾花沢牛ステーキなどの山形のスローフードを楽しませてくれる。
そして、夕食だけではなく朝食の湯豆腐や味噌汁もこれまた絶品。味もさることながら一品一品に品格があり、味覚だけではなく心から楽しめる。朝夕ともに美味しい料理を提供する宿はそうあるものではないだけに、とても嬉しい。
明るい時間に見る温泉街の佇まいもノスタルジックな雰囲気が漂うが、夜の温泉街にはまた格別な趣がある。薄暗い明かりが温泉街を包み、まるでタイムスリップしたかのような錯覚を覚えるほど、時代を超越した美しさを放つ。
ちなみに銀山温泉街は車両の通行は不可。駐車場は温泉街の手前徒歩5分ほどのところにある。少々距離があるが、温泉街を散策すると思えば全く苦にならず、むしろ楽しみさえ感じる。
その温泉街に溶け込む「永澤平八」は、宿の情緒・風呂・料理、全てにおいてバランスが申し分ない。現代と古き佳き日本が同居する素晴しい温泉宿である。
(2015.11 更新)
住所 | 山形県尾花沢市銀山新畑445 | TEL | 0237-28-2137 |
URL | http://www.ginzanonsen.jp/nagasawa/ | IN:OUT | 14:00 : 11:00 |
宿泊料金 | 14,850円~ [2名利用 1泊2食付] | 立寄入浴 | 不可 |
客室数 | 和室 9 | 食事場所 | 部屋出し・食事処(朝食) |
駐車場 | あり(徒歩5分ほど) | 送迎 | 大石田駅まで送迎あり ※要予約 |
主な泉質 | 含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉(硫化水素型) | 温泉利用 | 源泉かけ流し |
浴場設備 | 内風呂・貸切風呂・貸切露天風呂 | 塩素消毒 | 塩素消毒なし |