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伊豆まつざき荘は松崎海水浴場の目の前に建つ公共の宿。オーシャンビューの展望大浴場と露天風呂・貸切風呂を備え、新鮮な魚介類を盛り込んだ磯会席に朝食バイキングなどのサービスクオリティは高レベル。リーズナブルでリピーターも多い。
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東京から西伊豆までの最短ルートは沼津まで高速を走り、伊豆縦貫道を経て修善寺・伊豆市を経由するのが定石。
でも、それじゃつまらない。
伊豆半島の狭くアップダウンのある海岸線をひたすら走り抜ける「男は黙ってサッポロビール!」的な一筆書きコースをとるのが男というもの。ガソリンと時間のムダとはいわせない。これぞ(アホな)男のロマンというものじゃい!
ようは燃費無視で存分にマニュアル車を走らせたいだけ。スペックを全開にした「S#モード」で、エンジンを呻らせながらシフトチェンジしたいだけなのである。
その旅に付き合わせたのが大学時代からの悪友M。「海鮮を存分に食べられる温泉宿に行かないか」というリクエストに応え、今宵選んだ宿が松崎町にある「伊豆まつざき荘」なのである。
松崎温泉には十年ほど前に訪れたことがある。その時は伊東園ホテルに宿泊し、隣接する堂ヶ島温泉には何度も仕事で訪れたことがあったので、土地勘もある。
熱海から伊豆半島に入り、昼頃に稲取で金目鯛を食し、松崎まで海岸線を走り抜ければ時間的にちょうどいいだろうとの目算があった。
午前八時過ぎに都内を出発。渋滞もあったが東名・小田原厚木道路を石橋まで走り、熱海を経て13時ごろに稲取に到着。予定通り金目鯛を喰らい、下田を抜け、松崎に到着したのが15時ごろであった。
渋滞で予定よりも一時間ほど遅れたが、これは想定内。昼食が遅くなったので、まだ腹が空かないのは想定外だったが、まあとにかく宿に着いた。
いつもであれば、宿泊先の情報はネットで調べてくるのだが、今回は予約時に見た「じゃらん」のみ。一抹の不安と密かな期待感が入り交じっていた。
「この宿、大きいな」というのが第一印象。公共の宿というのは知っていたが、これほど大きな箱だとは思っていなかった。
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ロビーでチェックインを済ませ部屋まで案内をしてもらうが、一般的な宿に比べ館内装飾や接客応対はやはりちょっとカタい。この点は公共の宿らしいといえばらしいところ。
部屋は5階にある10帖の和室。最上階6階は展望浴場になっているので、実施的には最上階の客室。10年ほど前に建て直しているので、調度品を含めきれいな印象。西日の影響で室内は暑かったが、空調の効きはよく、すぐに室温は下がった。
オーシャンビューということなので、障子を開けると、カーテンの閉まった広縁はサウナのような熱気がある。よほど日当たりがいいのだろうとカーテンを全開にすると、西日を受けてキラキラと輝く駿河湾が視界一面に広がっている。
こりゃスゴイわ…
夕日も期待大だったが、惜しむらくこの後雲が広がり、きれいな夕日はお預け。線香花火の上半分が雲海に消えるようなプチ夕日だけを大浴場で見れたのが精一杯だった。
その大浴場はというと、ぬる湯とあつ湯がある展望風呂。さらに打たせ湯と露天風呂もあり、温泉好きも納得の湯質のよさ。
正直なところ、公共の宿ということで、ある程度の塩素消毒を覚悟していたのだが、塩素がまったくない素晴らしさ。しかも源泉かけ流し(露天風呂は加温あり)とくれば、長湯もできる。同行の悪友Mをほったらかしで、温泉漬けに勤しんだ。
食事は2階にあるレストラン「SUNSET」で用意されている。風呂でいっぱい汗をかいたが、昼に食べた海鮮丼の余韻がまだ残っていた。最後まで残さず食べられるだろうか?
そんな心配もあったが、席につくとそんな心配はどこえやら。今回のプラン(15プラン)の料理はかなりスゴい。通常料理に加え、伊勢海老とサザエのお造りとアワビの踊り焼きが付く豪華版なのだ。
これで税込・サービス料込みで16,740円とくれば、かなりのリーズナブル。一般的な宿ならば18,000~20,000円はするはず。
一心不乱に食べ続け、伊勢海老のトロリとした甘い舌ざわり、サザエの磯の香漂うコリコリ感、アワビの旨さと芳醇な肝の風味を堪能した後に、シメの御飯と一緒に伊勢海老の味噌汁がやってくる。
この味噌汁がこれまた美味い!
伊勢海老から出たオレンジ色をした濃厚なダシが最高の調味料となり、味噌汁に深いコクと風味を与えている。こりゃ何杯でもいけるわ(一杯しかないけど…)
結局、お腹はポンポコリン。しかも眠い…小一時間ほど禁断の寝落ちの後、また温泉でデトックスタイム。出るわ出るわ汗が出るわ、このまま脂肪まで絞り出してくれ!
祈願した脂肪まではにじみ出なかったが、発汗作用も働いて多少の温泉ダイエットはできたはず。ぬる湯サマサマですわ。
寝しなに大好きな司馬遼太郎の小説(今回は大坂の陣を題材にした「城塞」)を限界がくるまで読みつつ就寝。心地よい疲れもり寝つきもいい。
そして翌朝6時には朝風呂へ向かい、朝食までに一時間以上湯に浸かる。早起きは苦手なオイラが温泉宿では早起きになる、いやなれるから不思議なもの。好きなものには人間マメになれるんだなあ、と自虐的にツッコむ。
でもそのおかげで、朝飯も美味い。
朝食は同じレストランでのブッフェスタイルのバイキング。和洋30品目以上で、品揃えも豊富。海の宿らしく、魚メニューもあるのが嬉しい。いつもであればはちきれんばかりに頬張るのだが、昼メシのことを考えて、惣菜を中心にご飯もの(炭水化物)を自重。
味噌汁・スープでシメようとしたが、この最後の汁ものがまた美味い。味噌汁とコーンスープともにダシが効いて抜群の美味さ。この宿は汁ものがマジ美味い。
露天風呂に入りながら、とあるオジサンが言っていた「公共の宿ではピカイチの宿だね。毎年利用している」との言葉はまさしくその通り。
お値段以上のサービスクオリティ。公共の宿をいくつか利用したことがあるが、伊豆まつざき荘は本当にいい宿である。
悪友Mは卓球台がなかった…とボヤいていたが、単に卓球がしたかっただけらしく、ダメだった? と聞くと、いやよかった。メシも美味かったし、量は多っかたけど…と素直に褒めないのが悪友M。さすがB型だわ(オイラも同じだが)
帰路は堂ヶ島に寄り、さらに細く険しい西伊豆の海岸線を沼津まで走り抜け、沼津港でまた海鮮丼を食し、金目鯛とアジの干物を買いあさり、こうして海産物尽くしの旅は終わった。
魚もいいけど肉も食いたくなってきたぁ!
(2017.9 更新)
住所 | 静岡県賀茂郡松崎町江奈210-1 | TEL | 0558-42-0450 |
URL | http://www.izu-matsuzaki.com/publics/index/52/ 一般財団法人 松崎町振興公社 |
IN:OUT | 15:00 : 10:00 |
宿泊料金 | 8,100円 ~(入湯税別) | 立寄入浴 | 14:00~17:00(1,000円) |
客室数 | 和室27 洋室15 | 食事場所 | レストラン「SUNSET」 |
駐車場 | 60台 | 送迎 | - |
主な泉質 | カルシウム・ナトリウム - 硫酸塩温泉 | 温泉利用 | 源泉かけ流し |
浴場設備 | 大浴場(うたせ湯あり)・露天風呂 家族風呂(45分 1,080円) |
塩素消毒 | なし |