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(2013)
自在館は栃尾又温泉にある創業400年の湯治宿。滾々と湧き出るラジウム温泉が心身ともに癒やされ、四季折々の山の幸を盛り込んだ山家料理はこころ温まる優しさ。サービスクオリティは高く、リーズナブルな料金設定も良心的。
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舞子スキー場を後にして、関越自動車道を北上。小出ICを下りて湯之谷温泉郷をひた走る。山と山との小さな狭間に佐梨川と国道352号(樹海ライン)が並行して走っている。
途中いくつもの温泉地の表示を見かけるが、佐梨川に沿っていくつもの温泉が点在しているようだ。はやる気持ちを抑えながら大湯温泉を抜け、細い山道の先に目指す栃尾又温泉が見えてきた。
大湯温泉とはさほど離れていないが、雰囲気はかなり違っている。とても静かというか静まりかえっている。雪と薄いモヤに包まれて3軒の宿がひっそりと建ち並んでいる。駐車場に車を停め、自在館の建物を仰ぎ見る。
「ちょっと古いのかな?」雪深い山中にある湯治宿だけに外装の経年変化は仕方のないところか。エントランスに入るまでそう思っていた…。
だが建物に入った瞬間からネガティブな印象がガラッと変わった。山の宿らしい鄙び情緒と田舎情緒、いわゆるノスタルジーが漂っているではないか。ストライクゾーンというかドストライク。自分が温泉宿に求めているもの「秘湯の宿」の光景がそこにあった。
館内施設はコーヒー(宿泊者は無料)とお茶が飲めるロビー、囲炉裏のある囲碁コーナー、売店、食事処「野草庵」、食堂「山蕗」があるが、遊興施設はない。館内は湯治宿らしく落ち着きのある静かな雰囲気。普通の観光旅館とは異なるノスタルジックな世界を醸し出している。
チェックインを済ませると、ロビーでどくだみ茶と健康豆のウェルカムサービス。どくだみ茶の味は想定通り、だが健康豆が以外に美味い。これはちょっと想定外。名前からも健康に良さそうなのも気に入り、結局帰りに2袋お買い上げとなった。
今回の部屋は3階にある6帖(バス・トイレなし)の和室。スノーボードで利用する訳だし、ましてや「おひとりさま」とくりゃこれでモーマンタイ(問題なし)。部屋に入る少し水の音がする。そんなに気になるレベルではないが、窓を開けると眼下には雪解け水で水量が増えている川(湯ノ沢川)が流れていた。さほど寒さは感じないが、残雪は深く、周囲にはモヤがかかっている。
「したの湯」が利用できる15:30近くになるのを見計らって館内着(作務衣)に着替えるが、上着が小さくぱっつんぱっつん。サイズを見るとなんとSサイズ。さすがにそれは無理。帳場に連絡し大サイズの浴衣と交換してもらった。そして浴衣に着替え、いよいよ戦闘開始!
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帳場に行き、貸切風呂の予約状況をみると、それぞれの貸切風呂が空いている。こうなりゃ湯マニアの本領発揮といくか。3つ全ての貸切風呂の予約を続けざまに確保。したの湯30分→うづけの湯40分→たぬきの湯40分→うさぎの湯40分→したの湯60分(2回目)と食事時間の19:00まで、しめて3時間30分のはしご湯を敢行した。
「うけづの湯(貸切露天風呂)」もいいが、やはり「したの湯(外湯大浴場)」。それもぬる湯が最高に素晴らしい。34~35℃ほどの温泉に入っていると身体の疲れがすぅ~と消えていくようだ。さすが霊泉といわれるほどの温泉だけのことはある。
栃尾又温泉のラジウム温泉(放射能泉)は気体のラドンを含有している。隊内に入ったラドンは放射線であるα線を放射することで体内の細胞に適度の刺激を与える。そうすると新陳代謝がよくなり、自然治癒力がアップするといわれているのだ。
とはいうものの…さすがに身体はバテバテ、ノドはカラカラ。乾いたノドをロビーにあるラジウム温泉水で潤しながら帳場を往復する。特にしたの湯の階段はトータル62段もある。それを2往復もするとは、温泉マニアでなきゃやらないだろう。1日スノーボード+はしご湯。身体はフラフラ…だが腹もいい感じで空いている。
夕食は食道「山蕗」でいただいた。詳細は「料理」ページにあるので割愛するが、山の幸満載が素晴らしい。海の物がない。山の宿はこうでなくてはいけない。地産地消万歳だ。主菜・副菜いわゆるオカズも美味いが主食の米がこれまた美味い。さすが魚沼産コシヒカリ。新潟の宿は米が美味いから好きだ。味噌汁ともども2杯ずつ平らげた。
部屋に戻り、コタツに入りながらプロ野球の巨人開幕戦を見つつ、冷たいラジウム温泉水をガブ飲み。いや~幸せ。温泉づくしとはまさにこのこと。でもさすがに限界が近づいてくる。夜九時を過ぎると目茶苦茶眠い。もう寝たい…のを無理矢理我慢して本日3回目の「したの湯」へいく。明日は入れないから何としても入らんといかん。
案の定、ぬる湯に入りながら気絶状態。ダメだぬる湯は快適すぎる。1時間ほどの記憶が断片しかない。意識朦朧としながら体重計にのると、食前76.4kgだった体重が何と79kgへ大躍進!! おいおい何をそんなに食べたんだい…。そして部屋に戻ると程なく撃沈。爆睡に入った。まさにフロ・メシ・寝る…これぞ男の幸せっちゅうもんだ。
次の朝、5時に起き出し「うえの湯」へ。一番風呂を狙ったが、すでに先約がいる。さすがは湯治場侮れない。「うえの湯」でも小一時間ほどぬる湯でぼんやりして、部屋に戻るとまだ6時。程よく眠たいので1時間ほど二度寝をする。この贅沢がたまらない。二度寝のあとは「たぬき」の湯で目を覚まし、朝食に向かう。
朝食も昨晩と同じく食堂「山蕗」でいただく。献立は決まったもの以外は取り放題のブッフェスタイル。しかもこれがまた目茶苦茶美味い。ダメだやっぱり食べ過ぎた…毎度毎度の行動だけど、こればっかりは制御不能。
どだい温泉宿にきて節制するなんてできるわきゃない。激しい運動して、温泉に入って、たらふくメシを喰らい、牛のように眠る。これでいいんでねぇ? (逆ギレ)
部屋に戻り、ウェアに着替え準備万端。名残惜しいがスキー場が待っている。チェックアウトをして精算するが、改めてリーズナブルな料金に目を見張る。別料金で八海山をひとつ頼んだけれど、合計でも12,000円そこそこ。
「ナヌ~!」本当にいい宿だ。満足度はすこぶる高い。無理をしてでも利用したい宿がまたひとつ加わった。
(2015.9 更新)
住所 | 新潟県魚沼市栃尾又温泉 | TEL | 025-795-2211 |
URL | http://www.jizaikan.jp | IN:OUT | 13:00 : 11:00 |
宿泊料金 | 11,280円~ [本館 2名利用 1泊2食付] | 立寄入浴 | 不可 |
客室数 | 和室 28 (本館23 旧館5) | 食事場所 | 夕:食事処「野草庵」 または 食堂「山蕗」 朝:食堂「山蕗」 |
駐車場 | あり | 定休日 | - |
主な泉質 | 単純放射能泉・単純弱放射能泉 | 温泉利用 | 源泉100%かけ流し(あつ湯のみ循環あり) |
浴場設備 | 大浴場(共用外湯)「うえの湯」「したの湯」・貸切風呂「たぬきの湯」「うさぎの湯」・貸切露天風呂「うけづの湯」 | 塩素消毒 | 塩素消毒なし(あつ湯のみ塩素添加あり) |