自在館は雪深い栃尾又温泉に佇む創業400年の湯治宿。渓流沿いに湧き出るラジウム温泉は究極の癒し。地産地消、四季折々の山の幸を盛り込んだ山家料理と高いサービスクオリティ。リーズナブルな料金設定も魅力的。
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自分自身にご褒美を…ということで、めでたくもない(苦笑)45歳の誕生日に自在館を予約。スノーボードのついでなのか、温泉のついでにスノーボードなのかはさておき、「毎年のセレモニー」と豪語した(してしまった)自在館に2年ぶりに訪問することになった。
しかし当日、スキー場へ朝5時に出発予定が、あろうことかの朝寝坊で、7時過ぎのおっとり出発。10時前に着ければ御の字か…と覚悟したが、なんと関越道が事故渋滞の追い打ち。
えらいことになった!(草刈正雄かっ)
もはやこれまで…と腹を召され…るワケがない!
急遽スノーボードから温泉めぐりに予定変更。松之山温泉を経由して栃尾又温泉に向かうことにした。そうと腹をくくれば渋滞もさほど気にならず、昼前に松之山温泉に到着。「ひなの宿 ちとせ」と「鷹の湯」で汗を流し、のんびりと栃尾又温泉にやってきた。
こんなゆったり旅もたまにゃいい。いつも忙(せわ)しすぎるからね…こんな誕生日もいいじゃあ~りませんか。
久しぶりの自在館。雪にすっぽり覆われてい…ない。立地が立地だけに、さすがに雪いっぱいと思っていたが、ここも例外ではない。気温もさほど低いわけでもなく、暖冬の影響はかなり強いようだ。
それでも駐車場は車でいっぱい。繁盛してくれるのは嬉しいが、混雑するのはちょっと困る。嬉しいような悲しいような複雑な思いが駆けめぐるが、潰れてしまっては元も子もない。商売繁盛、いいことじゃないか!
エントランスをくぐり、館内に入れば勝手知ったる秘湯の宿。秘湯提灯と囲炉裏、木の長イスに丸太テーブル。変わらぬノスタルジックな空間が広がっている。う~ん、よござんす!
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三度目ともなると勝手知ったる何とやら…以上の何とやら。常連のような余裕をもって宿を見られる。チェックインと同時に、手際よく貸切風呂の予約を済ませ…ようとしたら、なんと予約方法が変わっているらしい?!
しかも「奥の湯」…って何?
いつの間にやら新しい外湯ができている。勝手知ったる何とやらの油断もあったが、恥ずかしながら、この時まで「奥の湯」の存在を知らなかったのである。
さらに、どくだみ茶と健康豆のウェルカムサービスも変わり、お菓子は部屋にあるという。知らぬ間にサービスも変わっている。いい悪いはさておいて、宿泊料金を据え置くための合理化のひとつだろうと解釈。
それよりも、今は貸切風呂の方が大事。予約方法はエレベーター前にある回覧板のような予約表に名前を記入する自己申告方式になっていて、すでに中央の時間帯はほぼ埋まり、早い時間か遅い時間しか貸切できそうにない。
ありゃ~「ゆったり旅もたまにゃいい」どころじゃないじゃん。早くチェックインしないとダメでござんすね…それでも、たぬきの湯は15分後、うさぎの湯は夕食後すぐ、うけづの湯は23時過ぎに部屋番号を記入。急ぎ作務衣のサイズを選び、部屋に向かう。
今回予約した部屋は2階にある6帖(トイレ付き)の和室。幸運なことに角部屋であるが、よくよく見ると、二年前と同じ部屋だったりする。その時は窓の下に見える「したの湯」は完全に雪に埋もれていたが、今回は屋根までバッチリ見える。
なるほど、暖冬だ…とお茶を淹れて温泉まんじゅうを頬張りながら考えていたが、はたと気づく。そうだった、オイラには思いに耽(ふけ)る時間はない!
あと5分! 超高速で作務衣に着替え、タオルとシェイバーを抱えて部屋をでる。1階エレベーター前のカギ置き場でカギをゲットして「たぬきの湯」に向かうと、ジャスト予約時間。ふぃ~間に合ったずら…
湯量豊富な「たぬきの湯」を貸し切れるのは気持ちがいい。これを独り占めするのは背徳感というか、ちょっと申し訳ない気持ちになるが、これも決まり事。こういうシステムになっているのでござんす。
おのおの、ぬかりなく!
40分の至極の時間を過ごし、カギを戻した後に旧館(大正棟)を通り「うえの湯」へ向かう。大正棟は古いとはいえ、趣きは抜群。湯治文化の息遣いが聞こえてくる。
スリッパからサンダルに履き替え、雪囲いのトンネルをくぐると「うえの湯」に到着するのだが、男女の湯暖簾があるのに驚かされる。だから「うえの湯」の利用時間が変わってたのか…
「うえの湯」には男性用の青暖簾がかかっているが、「奥の湯」には女性用の赤暖簾がかかっている。新しい湯は明日のお楽しみ。まずは「うえの湯」を愉しむことが先決じゃい。
「うえの湯」は本当に開放的。この空間の奥行きは本当に気持ちがいいのだが、予想に反して空いている。あれ? 今日は暇なのか…でも駐車場は満車に近かったよね?
しばらくの間、ぬる湯でまったりしていたが、時計をみると17時半近くになっている。そういえば夕食の時間18時過ぎだったっけ…やばい! こうしてはいられない、早く「したの湯」にも行かないとっ
急いで来た道を引き返し、地下1階の出入り口から暗いアプローチを階段を下り、「したの湯」へ急ぐ。脱衣所に着くと「うえの湯」が閑散としていた理由がわかった。ははは、みなさんココにいらっしゃるのね…
レトロで狭い浴場だが、やはり「したの湯」はいい。何人もの人が、薄暗い中で静かに瞑想している。一度味わったら病みつき必至の心地よさ。もう言葉はいらない。夕食の時間ギリギリまで瞑想の時間を過ごした。
夕食は食堂「山蕗」でいただく。詳細は「料理」ページに割愛するが、前回同様に山の幸いっぱいの山家料理のおもてなし。個々の献立の違いはあるが、牛と岩魚の炭火焼きの美味さは健在。魚沼産コシヒカリも変わらず絶品である。
食後、部屋に戻るとすでに布団が敷かれている。コタツの上には冷たいラジウム温泉があり、これがまた美味。風呂上りにじゃんじゃんいただこう。
食後1湯目は「うさぎの湯」で貸切風呂。食事の臭いをきれいに流し、本日2回目の「したの湯」で再度の瞑想。まさに極楽…何度入っても素晴らしい。「コポコポ」と湯の音だけが響きわたる。
そして、この日の締め湯「うけづの湯」に向かったのは23時。もっと早く入りたかったけど、空いていたのはこの時間のみだからしょうがない。でもこんな時間まで温泉でまったりできるのは究極の幸せ。バタバタしたけど、本当にいい記念日になった。
部屋に戻ったのは日付が替わる少し前。さすがに程なく撃沈、爆睡モードに入った。そりゃそうだろう、この日だけで8湯、しめて7時間も温泉漬けだったのだから…(苦笑)
次の朝は5時に起き出し「奥の湯」へ。一番風呂といきたかったが、残念ながら3番目。どんだけ早いねん! と自身に毒づいても後の祭り。いや~侮ってましたわ、シニアの早朝パワーには脱帽っす。
1時間ほどぬる湯でまったりしていたら、強力な睡魔が襲ってきた。ダメだ…眠すぎる。一旦部屋に戻り、1時間半ほど寝落ちしたが、これが気持ちいいこと。温泉もいいけど、二度寝もいい (^^;)
そして朝メシの時間。朝食も食堂「山蕗」で用意されている。最初にサラダ2杯はお約束。タラの粕漬けでご飯を平らげ、温泉玉子をのせて2杯目。そして待ちに待ったラジウム納豆をのせて都合3杯。
ダメ押しとばかりに、お気に入りの豆乳も3杯しっかり飲んでお腹はタプタプ…今年も学習効果なし。でも美味いんだからしょうがない。これで食べなけりゃバチが当たるってもんだ!
時間ギリギリまでゆっくりしたいが、スノーボードも滑りたい。名残惜しみつつチェックアウトするが、これで税込みで13,000円ほど(地酒は別途734円)とかなりリーズナブル。自分自身へのご褒美、本当に最高の1日でござんした。
また来年…来れるかな??
(2016.9 更新)
住所 | 新潟県魚沼市栃尾又温泉 | TEL | 025-795-2211 |
URL | http://www.jizaikan.jp | IN:OUT | 13:00 : 11:00 |
宿泊料金 | 11,280円~ [本館 2名利用 1泊2食付] | 立寄入浴 | 不可 |
客室数 | 和室 28 (本館23 旧館5)特別室 1 | 食事場所 | 食事処「野草庵」 または 食堂「山蕗」 |
駐車場 | あり | 定休日 | - |
主な泉質 | 単純弱放射能泉 | 温泉利用 | 源泉100%かけ流し (あつ湯のみ循環あり) |
浴場設備 | 貸切風呂「たぬきの湯」「うさぎの湯」、貸切露天風呂「うけづの湯」、共用外湯「うえの湯」「したの湯」「奥の湯」 | 塩素消毒 | 塩素消毒なし (あつ湯のみ塩素添加あり) |