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浴場は内風呂(展望岩風呂)と展望露天風呂がある。ともに展望とあるように、自然の絵画ともいえる見事な雪化粧を見渡せる。温泉利用はかけ流し循環併用式だが、湯口からは無色透明の新しい源泉が惜しげもなく注がれている。微かに硫化水素臭が感じられ、お湯の質はとてもよい。
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大浴場はガラス張りで湯船は石と岩を張りめぐらせた展望岩風呂。冬のこの時期は一面の雪見風呂が楽しめる。かつて大沢山温泉が湧出した場所に今は祠があるそうだが、浴場に安置される地蔵尊がそのことを物語っているかのようだ。浴場は湯気で真っ白だが、湯船の温度は適温。寒い身体をやんわりと温めてくれる。
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湯暖簾をくぐると、広い洗い場の向こうに濛々と湯気を上げる湯船と雪の壁が目に飛び込んでくる。脱衣所と浴場が同じ空間、太い柱と梁のある立派な湯屋造り。清潔感漂う洗い場は御影石が敷き詰められ、浴場の壁はおそらく杉皮であろう。そして檜の湯口からは熱い温泉が縁が檜張りの石造りの湯船に注いでいる。
まるで湯治場のような情景が温泉好きには堪らない。眺望に関しては本来ならば一面に山の景色が広がっているのだろうが、雪壁の向こうに木々と山々が見える。雪見風呂ならぬ雪壁風呂というところか(苦笑)
凍えるような寒さの中で頭と身体を洗うが、寒いことこの上なし。でも風呂に入る前は身体を洗うのがマナーだと思っているからそこは我慢。晴れて湯船に飛び込むとそこそこ熱い。外気で冷えないようにかなり温度調節(加熱)しているようだ。
後で湯守(温泉の管理人)が他の宿泊客と話すのを立ち聞きしたら44℃とのこと。そりゃ熱いはず。でも確かに熱いが、その熱さが冷えた身体に心地よい痺れを運んでくる。ちょっとMっぽいが苦痛の先に極楽がある。これぞ冬温泉の醍醐味だ!
しばらくすると、年配の方が入ってきた。会話をすると元信用組合の支店長で、今日が80歳の誕生日だという。ここ数年は誕生日には必ずこの大沢舘を訪れているとのことだった。気が付けば小一時間ほど話していただろうか。それにしても記念日にこの雪見風呂に入れることがちょっと羨ましく思えた。
ちなみに露天風呂へのアプローチは様々な誘惑がいっぱい。本館の出入り口には甘酒と味噌田楽サービス、天然の冷蔵庫ならぬ冷凍庫状態の外廊下にはアイスキャンディーサービスがある。
これが夏なら小躍りするとこだが、この雪景色では少々尻込み。さらに進む先にはちょっとデンジャーな渡り廊下がある。渡り廊下の下は雪が混じった池。雪で滑らないように注意が必要だ。