三十苅荘は野沢温泉にある民宿。料理は自家栽培の野菜やお米を使い、気さくでほのぼのとした雰囲気。スキーや外湯めぐりをするには絶好のロケーション。なによりもリーズナブルなのが嬉しい。
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野沢温泉には13もの外湯がある。だから泊まる宿も温泉宿である必要はない。それでも条件はある。ゲレンデに近く、外湯めぐりに便利な場所にあり、さらにメシが美味い宿でなきゃいけない。
そのような条件の中で見つけた宿が「三十苅荘(さんじゃりそう)」
民宿で温泉はないが、料理のクチコミ評価は高く、ゲレンデと外湯めぐりに便利な立地にあり、さらに料金がリーズナブルときたもんだ!
これぞ神の啓示。お~神よ我を導き給え~
おっと、そんなお戯れは後にして、本題本題。
東京の自宅を朝4時前に出発し、関越・上信越道を走ること4時間。野沢温泉に着いたのは8時前。さすがに人通りは少なく、温泉街も閑散としている。ちょっと早いか…と思ったが、宿に行くと快く迎えてくれた。
とはいってもチェックイン前。部屋にはまだ入れないので、暖かい休憩室に荷物を運び、そこでウェアに着替えてゲレンデにでっぱつ。
はて、ゲレンデどっち?
野沢温泉のゲレンデは今回がお初。どこから行ったら一番近いんだろうか?
わからないときは尋ねるのがいちばん。「ゲレンデの近道ってどっちですか?」と道行く人に聞くと「真湯ペアリフト」がいいとのこと。
麻釜の湯を過ぎ「ここ真っ直ぐ」と教わった道を進むこと数分。いきなりリフトが見えてきた。いや~街中にリフトとは、なかなか親切なこっちゃ。
板・ボード装着禁止とのことなので、ボードを持ったままリフトに乗るが、持ったまま乗るのは初心者以来。スピードはさほど速くはないが、雪化粧を纏った木々の間をリフトは登っていく。
ゲレンデ直結でしかも無料。「真湯ペアリフト」こりゃ楽チンだわ~
ボロ雑巾になるまでゲレンデを滑走した後、帰り道は「遊ロード」というエスカレーターを選択。このルートは麻釜の上に出るので、三十苅荘までは少し歩くが、疲れていても温泉街の散策は楽しい。
麻釜で写真を数枚撮り、坂を下ると麻釜の湯に到着。なるほどねぇ~麻釜の湯の前で真湯ペアリフトと遊ロードへの道が分岐するのか。そして麻釜の湯から三十苅荘までは徒歩1分。本当にお近いざんす。
宿に戻ったのは15時過ぎ。改めてチェックインすると「まぁもういいの?」と笑顔のお出迎え。「いや~足がもちませんので…」とカギを受け取り、休憩室にある荷物を持ち客室のある2階に上がる。
部屋は畳敷きの8帖和室。十分ゆったりとしているが、調度品がテレビとテーブルだけなのでより広く感じられ、コタツはないが暖房が効いているため寒くはない。
またトイレと洗面所は共用だが、部屋のすぐ外にあり不便さを感じることはなく、貴重品ボックスは
まずはウェアからジーンズにフリースという外湯めぐり用に衣替え。温泉街なので浴衣もいいけど、やはりこれが一番落ち着く。ちなみに浴衣のほかに作務衣もあり、好きに選択できるのが嬉しい。
さて、どの外湯から攻めようか?
とその前に、宿の内風呂でサッと身体を流し洗髪。外湯めぐりの前にこれをやっておくと衛生的だし気分的にも楽。ちょっと熱めの湯船に浸かりながら、外湯攻略法を考える。
合理的に外湯をめぐるなら、最も遠方の外湯(中尾の湯)か、ここから近いが温泉街の外縁部にある外湯(熊の手洗湯・上寺湯・真湯)から始めたほうがいい。う~んどっちだ、え~い「熊吉ぢゃ!」
ということで、まずは「熊の手洗湯」からご入湯。次いで「上寺湯」、ほんで「真湯」はいっぱいなので後回し(またキツイ坂を登るのか…)、「麻釜の湯」に浸かった後、「ふるさとの湯」を通り越し、念願の「滝の湯」と「秋葉の湯」をめぐり、三十苅荘にリターン!
駆けつけ五湯。いや、宿の風呂も入れれば六湯。ホンマ疲れましたがな…
そして夕食。18時に食堂にいくと、テーブルにはほのぼのとする料理が並んでいる。自家栽培の野菜とお米に、郷土色豊かな献立の品々。さらにお皿に野沢菜がてんこ盛り。見た目の豪華さではない内容の豪華さ。これが民宿のいいところ。
道祖神鍋・信州牛ステーキ・馬刺し・ごま豆腐などを平らげ、お腹は満腹。横のテーブルにいた宿の常連さんとしゃべりながらしばし歓談。
食堂を出るまで元気だったが、スノーボードと湯めぐりの疲れ、さらに満腹状態も相まって、部屋に戻るなりバタンキュー。
こんなときはムリをしてはいけない。おとなしく布団を敷いてしばし休憩zzz
そして一時間の充電後、湯めぐりを再開。「河原湯」「十王堂の湯」「大湯」の後、「真湯」を再訪して温泉めぐりはお開き。この日は都合九湯(宿湯もいれて十湯)をめぐったが、途中から義務感を感じてしまうほど(苦笑)
やはり温泉はゆっくりゆったり入るものなのね…そう反省しながら作務衣に着替え就寝。さすがに11時を回ると温泉街は静かになる。様々な疲れの相乗効果で寝付きも早い…
そして朝。6時前には外湯めぐりの続きを始める。ホンネいうと超眠い。でも早く始動しないと外湯コンプリートはできない。温泉マニアは辛かんべ。
でも「松葉の湯」「橫地の湯」「新田の湯」、そして再度「十王堂の湯」と続けて入湯するうち、あまりの熱さに眠気は吹っ飛び完全覚醒。「見えるぞ! 私にも敵が見える!」これでニュータイプになれるか?
しかし、そんなんでニュータイプになれるはずもなく、のどカラカラで宿にご帰還。たっぷりの水と、カッツリと朝食を胃の腑におさめ、ゲレンデへの出撃準備。
ちなみに荷物と車は夕方まで預かってくれるので心配ご無用。話好きの女将さんと木訥なご主人の温かい笑顔がとても印象的な宿でした。
(2016.3 更新)
住所 | 長野県下高井郡野沢温泉村豊郷9273 | TEL | 0269-85-2249 |
URL | http://sanjarisan.com/ | IN:OUT | 15:00 : 10:00 |
宿泊料金 | 7,129円~ [2名利用 1泊2食付] | 立寄入浴 | なし |
客室数 | 和室10 | 食事場所 | 食堂 |
駐車場 | 10台 | 送迎 | - |
主な泉質 | 沸かし湯 | 温泉利用 | |
浴場設備 | 内風呂 | 塩素消毒 |