中尾の湯は野沢温泉に13湯ある共同浴場のひとつ。まるで寺社を思わせる風情ある湯屋造りの佇まいは、温泉教授松田忠徳氏も絶賛するほどの情緒が漂う。温泉街中心から離れているが、多くの利用者で賑わいをみせる。
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温泉ツウ、いや少しでも野沢温泉をご存じの方なら「中尾の湯」という言葉に特別な魅力を感じざるを得ないだろう。温泉教授として著名な松田忠徳氏も絶賛するお墨付きの外湯である。
2005年に初めて利用した時、これが松田氏絶賛の温泉か…と、情緒あふれる佇まいを前に感慨ひとしおだったことを思い出す。
あ~れから40年!(きみまろか!)
もとい、あれから10年! ようやく野沢温泉を訪れる機会を得た。13湯ある外湯は、この二日で中尾の湯を除く12湯をめぐり、まさにリーチ一発ツモ目前。スノーボードでボロボロの足腰を労るべく、絶賛温泉に足を向けた。
この日は、熊の手洗湯前にある「中島屋旅館」に泊まっていたので、距離にして1km、歩いて15分ほど離れているが、温泉街は発見の宝庫。定番の土産物屋のほかにも、りんご専門店や酒屋などを見かけ興味津々。温泉街をぶらり歩くこともいとをかし(清少納言かいっ)
そのまま大湯通りを進むと、十王堂の湯を過ぎる辺りから民家エリアに変わる。賑やかなのはここまでか…と思った矢先、その先に小さな店が見えてきた。
店の名は「みゆき商店」、温泉まんじゅうの店かと思ったら、これがスウィーツ店だったりする。看板メニューはバナナボート。これが冬季限定品で1個280円ときたもんだ。むむっこれは…!
詳細は「みゆき商店」のページに割愛するが、この「ときめき」が頭から離れない。か、帰りに買っていこうかしら?(何故にオネエ…それとも岸部一徳?)
そんな邪念を胸に秘め、やってきましたがな中尾の湯!(前フリも長いわ!)
野沢温泉随一の規模を誇る中尾の湯。その堂々たる佇まいは本当に圧倒モノ。建物の背後からもある種の威厳すら漂い、横からの姿はほとんど仏閣。正面からみても、「湯」の表記がなかったら、とても浴場とは思えない。
デジカメとスマホと両方で写真を撮るが、画像を見るとそれぞれ建物の色彩が異なっている。デジカメは色彩が深いが未補正、スマホは描写が平面的だが色補正がかかっている感じ。
それぞれ一長一短という感じがするが、どんな形容をも凌駕する情緒を纏った温泉施設に変わりはない。こりゃたまらんですのう~
それはさておき、浴場内もこれまた情緒抜群。だだっ広い空間には仕切りがなく、脱衣所と湯船が同居。天井を見上げれば大きな開口部をともなった湯屋造りの設え。古より綿々と続く温泉文化を垣間見る思いがする。
湯船はあつ湯とぬる湯に仕切られ、多くの人がぬる湯でまったり。ぬる湯といってもちょい熱だが、あつ湯はマジ熱湯。おそらく45℃以上あるだろう。手を入れると痺れるほど熱い。
そんな痺れ湯にどっぷり浸かる外国人の姿もあるのだから本当に驚く。これに慣れてしまったら、母国に帰ったら物足りなさを感じるのではないかと、いらぬ心配をしてしまう(苦笑)
注湯量を調整することで実現できる源泉100%かけ流し温泉。13ある野沢温泉の外湯の中で、それを実現しているのは大湯・河原湯・十王堂の湯・熊の手洗湯・上寺湯、そして中尾の湯と6軒だけ。
大湯・河原湯・十王堂の湯・熊の手洗湯は独自源泉なので、麻釜系源泉では上寺湯と中尾の湯のみ体験できる究極温泉。さらに源泉からの引湯距離があるので、中尾の湯は注湯量そのものが多い。
温泉教授の松田氏が絶賛する理由のひとつもこの点だろう。情緒+温泉品質を兼ね備える「本物の温泉」がここにある。
(2016.2 更新)
住所 | 長野県下高井郡野沢温泉村豊郷6661 | TEL | 0269-85-3155[野沢温泉観光協会] |
URL | http://nozawakanko.jp/ 野沢温泉観光協会 |
営業時間 | 5:00~23:00[無料] (12月~3月 6:00~) |
駐車場 | なし(近くの村営駐車場を利用) | 定休日 | - |
主な泉質 | 含硫黄-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉 | 温泉利用 | 源泉100%かけ流し |
浴場設備 | 内風呂 | 塩素消毒 | 塩素消毒なし |