大峰館は自家源泉から湧き出すピュアな源泉100%かけ流し温泉を堪能できる小さな湯宿。地元の旬野菜を盛り込んだ田舎会席料理も好評。飲泉もできる隠れた名湯といえる。
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1月中旬の月曜日、苗場で平日ゲレンデを楽しもう! という目論見は、吹雪にホワイトアウトと、想定以上の悪天候に軌道修正を迫られる。「こういうとき、ムリをする人が遭難するんです」と、宿のご主人が呟いた言葉がやけにアタマに残る。
や~めた、温泉に行こう!
ムリをしないのが大人の行動…というか、視界が悪くては滑っても楽しくない。あっさりと予定変更。一湯目を越後湯沢温泉の「山の湯」につかり、次の湯を求めて関越道にのったところ、「沼田~渋川伊香保 通行止め」の電光表示。
ここで、「あちゃ~」と思うのは普通の人だが、湯マニアはちょっと違う。ピンチはチャンスとばかり 「みなかみ周辺で温泉行けるな!」と、前向きに(いや盲目的に)考えてしまう。
みなかみ周辺の温泉。水上温泉には何度か足を運んだことがあるが、周辺の温泉は未踏破のところも多い。谷川岳PAでどこにするかと思案の結果、まずは上牧温泉に向かうことにした。
目指す宿は「大峰館」
基本的に、日帰りも含め温泉宿を探すときは源泉かけ流しの宿を選ぶようにしている。理由は明白。ガッカリしたくないから。好きな温泉でそんな気持ちになりたくない。いくら新しくキレイな施設でも「循環温泉」はできるだけパス。
温泉の品質優先。これがオイラのポリシーでござんす。
水上ICで降り、ナビを頼りに一般道を進むが、国道なのになんと雪の多いこと。スタッドレスで四駆、完璧なはずの「湯めぐり号」でも難渋する悪路ぶり。う~む、積雪量が多いとかじゃなく、除雪が間に合っていないんだな、これは。
進むこと数分、いよいよ大峰館に近づいているようだが、ナビが指し示す道はさらに悪路の県道。これをいくのか…え~い、どうにでもなっちゃえ!
不安そのままに、車を走らせること数十メートル。目の前に「月がほほえむ宿 大峰館」の看板を発見。ようやく着きもした…
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ようやく着いた大峰館は、ちょっとレトロながら、ほのぼのとした湯宿の趣き。建物の入口前には飲泉処があり、湯質のよさを物語っているようだ。
建物ウラにある駐車場に車を駐め、歩きながら施設ウラを見渡す。建物は2棟に分かれ、ネット情報であった新館(谷側)と旧館(山側)ということだろう。ぐるっと回り、大きな生け花が飾られているエントランスに入る。
すぐに帳場があるが誰もいない。「すいませ~ん」と声をかけると、「は~い」と、女将らしき初老の女性が現れるが、雪かき作業をしていたようで、ダウンを羽織っている。いや~作業中なのに、どうもすいません(三平かっ)
日帰り入浴は900円。料金を払いながら、大雪やスキー場のことなどちょっとした世間話。詳しくは書けないが、旅行会社やお客さんのことまで話が弾み、気が付けば10分ばかりも話し込んでしまった。
いや~初対面なのにすんません。ホント、気さくな女将さんだ!
帳場にある階段を下り、廊下を進むと右側に談話室が見えるが、この時間は灯りを消しているせいか、ちょっと薄暗い。女将は「古い宿なので…」とはいっていたが、レトロモダン調でなかなかいい趣き。
浴場があるのは新館の下層。帳場からだと階段があったりして、ちょっと歩くことになる。最近はバリアフリー化などが謳われているが、それができるのは新築であったり、資金力のある宿のみ。都度、増改築をする小さな宿では対応は遅れがち。
利用者目線では「エレベーターもないの?」なんてなるが、そこに文句をいっても始まらない。施設側は十分わかっている。十分承知しているけど、ない袖は振れない…そんなことをつい代弁したくなる。
階段があるといっても、2階ほど。そんなに苦になる距離ではない…四十代運動不足の男性(本人)談。まあ浴場が下層にある宿ほど湯質はいいという傾向があるし、これは期待できそうだ。
脱衣所には温泉成分の掲示があり、泉質はナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物温泉。ようは、ちょっと塩気のある硫酸塩泉ということ。スペースはさほど広くないが、雪国ではこの方がいい。理由は明白。だって寒いじゃん!(小学生かっ)
浴場に入ると嬉しいことに貸切状態。そりゃそーだ、月曜の午後だもん。
温泉は「素晴らしい!」のひとこと。加水も加温もない源泉100%かけ流し。塩素添加もなく、ピュアそのもの。小さいながらも露天風呂もあり、ひととき贅沢な温泉時間を満喫した。
期待以上の極上温泉。月にかわってお○○○よ!
なんてバカなこといっている場合じゃない。そんなに混んでないし、料金も比較的安い。もっと評価されていい宿なんだけどなあ。
アピールのみで中味がないハッタリ宿なんて論外だが、奥ゆかしいのか、人が善いのか…どうも歯がゆい。
これは、一度泊まらなきゃいかんな!
「近いうちに再訪しよう。今度は泊まりで!」 そんな意気込みを胸に大峰館を後にしたが、ほどなく渋滞に遭遇。
伊香保あたりでもう一湯…そんな淡い目論見も雪と消え、結局、ここから自宅まで8時間30分もの雪中行。いやはや疲れました…
(2016.1 更新)
住所 | 群馬県利根郡みなかみ町石倉229 | TEL | 0278-72-3329 |
URL | http://www.oominekan.jp | IN:OUT | 15:00 : 10:00 |
宿泊料金 | 10,800円~ [2名利用 1泊2食付 税別] | 立寄入浴 | 11:00~17:00 [900円 水曜休] |
客室数 | 和室 14 | 食事場所 | 食事処 |
駐車場 | あり | 送迎 | JR上越線上牧駅まで送迎あり(要連絡) |
主な泉質 | ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉 | 温泉利用 | 源泉かけ流し |
浴場設備 | 大浴場・露天風呂 | 塩素消毒 | 塩素消毒なし |